木部の下地調整

塗装工事の仕上がりは、下地調整がしっかりとされているかによりまったく変わってしまいます。
お化粧で例えると、コンシーラーや、化粧下地をしっかりしないとファンデーションの仕上がりがよくないのと同じです。
塗装工事の要となる工程になる為、下地調整の見極め、対処法を知り長年の経験を持つ塗装職人が必要となります。

木部ケレン

木部のケレンの状況です。
ケレンには状況に応じ電動工具を使用したり、サンドペーパー等を使ったりします。
この現場は塗膜の剥がれ等がひどく、凸凹もひどかったので電動工具を使用し、なるべく平滑にしました。

躯体の欠損

長年ケアをしてない木部などは、表面の日々や穴などから雨水が入り気がボロボロになっている事があります。
この現場がまさにそれで、ケレンしている時にボロボロとくずれてえぐれていきました。

欠損部の処理

この様にえぐれてしまっている箇所の処理については、木部の下塗り材を塗装後にエポキシ樹脂を使って成型し、元の様な形に戻します。
その上から塗装すれば、とても綺麗な仕上がりになります。
下地調整をせずに塗装をすると、吸い込みムラ等で光沢にムラが出てしまいます。

下地のパターン合わせ

下地調整には、脆くなった部分の補強や、欠損部の補修など色々あります。
既存の塀が玉吹きのヘッドカット仕上げになっており。増築された塀も同じパターンに合わせます。
既存のパターンに合わせる事はとても難しく、高い技術と経験が必要となります。

パターン吹き

まず親切のブロック塀なので、目詰材のフィーラーをローラーでしっかりと擦り込むよう塗りつけて、吹付け塗装機で、年度の高いパターンと合わせながら吹付けます。
全体的に凸凹のパターンが均等に付ける技術がとても難しく長年の経験とセンスが必要となります。

ヘッドカット

ヘッドカットはパターン合わせの際凸凹模様の凸部分のみをプラスチック製のローラーで押さえて、つぶれた様な感じにしていきます。
この際、塗料が乾ききらない、柔らかいうちに作業をしないといけないので、段取りよく進めていかないと同じ風合いで仕上げる事が出来ません。

パターン合わせ完了

この様にパターンは合わせる事が出来ないと、既存箇所との仕上がりも変わってくるので、とても重要な作業となります。
塗装工事におけるパターン合わせは結構あり、外壁の真ん中に塗装の剥れがあるなど、様々なケースがあり、適材適所で対応しなければならず、高い知識と経験が無いと仕上げられません。

鉄部のサビに対しての下地処理

塗装工事は下地調整がしっかりされていないと、早期に問題が発生したりします。
サビが発生すると、どんどん広がっていきます。
それを防ぐには、サビを出来るだけ除去し、サビ止め塗料をしっかりと塗った上に上塗りをして保護します。
この下地処理を怠ると、塗装しても早期にサビが発生します。

サビの除去

サビの除去いは、電動工具や色々なケレン工具等を使い出来る限り除去します。
電動工具が使えない場所であったり、写真の様なボルト廻りなどは、なかなかサビを除去する事が難しいです。
また除去が困難な場合は下記のような処理をします。

サビ転換剤塗布

サビ転換剤は、サビの除去が困難な場所等に、出来るだけサビを除去した上で塗布します。
サビ転換剤は、赤サビ(写真にある様な一般的なサビ)に塗布すると、安定した黒サビに転換させます。
黒サビとは、酸化膜とも言い、これ以上酸化しない膜の事を指し、赤サビの発生を抑制します。

サビ止め塗料塗布

しっかりとしたサビの除去、またはサビ転換等の処理をした後に、鉄部前面に1〜2回サビ止め塗料をしっかりと塗りつけて行きます。
サビ止め塗料は、サビ止めの膜の厚みと、その後の上塗りで、しっかりとコーティングする事で水分と酸素を遮断し効果を発揮します。